ブログをご覧いただきありがとうございます。
全国選抜に続き、今年のインターハイも中止に。非常に残念です。
新型コロナウイルスの影響の大きさは計り知れません。
さて、2019年に開催された熊本インターハイの熱戦を振り返りたいと思います。
2019年・第66回全国高等学校剣道大会概要・出場校および組み合わせ
大会概要
大会名:第66回全国高等学校剣道大会
日程:2019年8月3日~6日
会場:熊本県立総合体育館
個人戦トーナメントおよび団体戦組み合わせ
公式HPをご参照下さい。
第66回全国高等学校剣道大会の結果
男子個人戦
優勝 池田 龍之介(福大大濠・3年)
準優勝 小川 夢希也(敬徳・3年)
第三位 斎藤 瑞貴(島原・3年)
第三位 阿比留 宏貴(明大中野・3年)
ベスト8
江口 慶(敬徳・3年)
原田 光(佐野日大・3年)
相馬 武蔵(九州学院・3年)
木村 恵都(水戸葵陵・3年)
男子団体戦
優勝 九州学院(熊本県)
準優勝 水戸葵陵(茨城県)
第三位 東洋大姫路(兵庫県)
第三位 明豊(大分県)
ベスト8
福岡第一(福岡県)
小牛田農林(宮城県)
日章学園(宮崎県)
奈良大付属(奈良県)
男子優秀選手
東京都 | 明治大学付属中野高等学校 | 阿比留 宏貴 |
兵庫県 | 東洋大学附属姫路高等学校 | 三浦 真嗣 |
福岡県 | 福岡第一高等学校 | 田城 徳光 |
佐賀県 | 敬徳高等学校 | 小川 夢希也 |
長崎県 | 島原高等学校 | 齋藤 瑞樹 |
熊本県 | 九州学院高等学校 | 相馬 武蔵 |
茨城県 | 水戸葵陵高等学校 | 木村 恵都 |
大分県 | 明豊高等学校 | 加藤 禎久 |
奈良県 | 奈良大学附属高等学校 | 山本 清吾 |
福岡県 | 福岡大学附属大濠高等学校 | 池田 龍之介 |
女子個人戦
優勝 柿元 冴月(守谷・3年)
準優勝 川合 芳奈(東海大翔洋・2年)
第三位 山本 真生(西大寺・2年)
第三位 古川 寛華(三養基・2年)
ベスト8
栗山 一花(大分情報国際・2年)
長堀 美苗(国士舘・3年)
斎藤 とも(東奥義塾・2年)
小川 真央(守谷・2年)
女子団体戦
優勝 中村学園女子(福岡県)
準優勝 東奥義塾(青森県)
第三位 五泉(新潟県)
第三位 広島皆実(広島)
ベスト8
島原(長崎県)
中部大春日丘(愛知)
奈良大付属(奈良県)
小牛田農林(宮城県)
女子優秀選手
岡山県 | 西大寺高等学校 | 山本 真生 |
新潟県 | 五泉高等学校 | 小坂井 麻優子 |
茨城県 | 守谷高等学校 | 柿元 冴月 |
福岡県 | 中村学園女子高等学校 | 奥谷 茉子 |
長崎県 | 島原高等学校 | 岩本 瑚々 |
熊本県 | 尚絅高等学校 | 境 明日花 |
佐賀県 | 佐賀県立三養基高等学校 | 古川 寛華 |
広島県 | 広島皆実高等学校 | 門田 雅 |
青森県 | 東奥義塾高等学校 | 杉本 咲妃 |
静岡県 | 東海大学付属静岡翔洋高等学校 | 川合 芳奈 |
第66回全国高等学校剣道大会の注目の熱戦
男子個人戦
決勝:池田選手(福大大濠) メ- 小川選手(敬徳)
九州の強豪校に所属する同士の決勝戦。
お互い序盤から激しく打ち合います。
試合中盤。
池田選手のコテ返しメンが決まり、このままの1本勝ちで池田選手が優勝を決めました。
池田選手は派手さはないですが、非常に試合巧者ですね!
池田選手は双子のお兄さん、そして妹さんも強いので、今後も池田三兄妹の活躍を期待しています。
準決勝1:池田選手(福大大濠)メ- 斎藤選手(島原)
九州同士の対戦。
お互い強豪校ですが、両者とも団体戦では惜しくも県予選の決勝で敗れ、団体戦での出場は逃しています。
チームの全期待を背負ってのインターハイだったと思います。
試合は時間内には決着が付かず延長戦へ。
仕切り直しの立ち会いから、池田選手のメンが決まり、決勝へと駒を進めました。
準決勝2:小川選手(敬徳)コ- 阿比留選手(明大中野)
両者とも昨年から活躍している選手同士の対戦。
団体戦にも出場していましたが、お互い惜しくも予選リーグで敗退しています。
試合は規定時間内には決着が着かず、延長戦へ。
延長戦開始から5分という頃。
小川選手の惜しいコテがあった後、続けざまにさらに小川選手がコテに飛び込みこれが一本に。小川選手が決勝進出を決めました。
準々決勝:阿比留選手(明大中野)ド- 木村選手(水戸葵陵)
関東の強豪校のエース同士の対戦。
両者とも団体戦にも出場していましたが、阿比留選手率いる明大中野は予選リーグで敗退。一方、木村選手は団体戦も勝ち進んでいる状況でした。
試合は規定時間内には決まらず延長戦へ。
最後は阿比留選手の引き逆ドウが決まり、勝負が付きました。
阿比留選手は引き逆ドウが得意技の一つですよね!
1回戦:木村選手(水戸葵陵)メメ- 藤島選手(福岡常葉)
今大会、男子個人戦の序盤戦の中では屈指の好カード。
剣道の修羅の国、福岡県代表の藤島選手と木村選手の対戦。
正直、この対戦はもっと上位戦で見たかったのが本音です。
お互い激しく打ち合う試合展開でしたが、木村選手が引き面を先取します。
その後、藤島選手が必死に取り返しにいきますが、木村選手の豪快なメンが決まり、木村選手が快勝しました。
藤島選手は注目している選手ですので大学での活躍を期待しています。
また、藤島選手の弟さんもめちゃくちゃ強いので兄弟揃っての活躍を期待しています。
男子団体戦
決勝:九州学院(熊本)(本) 1 – 1 水戸葵陵(茨城)
九州学院と水戸葵陵の決勝。
インターハイでこの対戦カードは何度見たことでしょう。
九州学院のほうが勝ち越しているものの、九州学院のインターハイ5連覇を止めたのは水戸葵陵でした。
まさに因縁の対決。
先鋒、次鋒が引き分けで迎えた中堅戦、水戸葵陵の新谷選手の強烈なツキが決まり、水戸葵陵がリードします。
続く副将戦、九州学院の米田選手が木村選手が引いたところを追いメンを決めます。
さらに、2本目開始直後の鍔迫り合いから、米田選手の相引メンが決まり、一気に九州学院が本数リードします。
迎えた大将戦。勝たなければならない水戸葵陵鈴木選手が攻めますが、相馬選手も惜しい技を出して応戦。
勝負は延長戦へ突入しましたが、相馬選手が鈴木選手の猛攻をしのぎきり、九州学院の2連覇が決まりました。
準決勝1:九州学院(熊本県)(本) 2 – 2 東洋大姫路(兵庫県)
優勝候補筆頭の九州学院と県予選で育英を抑え勝ち上がってきた東洋大姫路の対戦。
試合は九州学院のペースでスタートします。
九州学院が先鋒荒木選手、次鋒岩間選手が2本勝ちを収め、勝負ありかと思いました。
しかし、ここから東洋大姫路が意地を見せます。
中堅西川選手と副将山本選手が一本を取られながらも、勝利を収め、勝者数ではタイにします。
本数リードで迎えた大将戦。
東洋大姫路の三浦選手が激しく攻めますが、相馬選手も必死にしのぎます。
そのまま相馬選手が逃げ切り、九州学院が辛勝しました。
先鋒から大将まで目が離せない好勝負でした。特に大将戦は見応えあります!
準決勝2 :水戸葵陵(茨城県)(代) 1-1 明豊(大分県)
全国選抜でも全国選抜の準決勝と同カードの対戦。
その時は代表戦で、明豊の堤選手が木村選手に勝利し、明豊が勝利しています。
水戸葵陵にとっては因縁の対戦。
試合は水戸葵陵が中堅戦でリードを奪ったものの、大将戦で明豊が追いつき代表戦へ。
代表戦には木村選手と堤選手が選出され、選抜と全く同じシチュエーションとなりました。
代表戦開始から7分が経過した頃。
木村選手が惜しい引きメンを打った後、間を詰めてきた堤選手に対し、遠間からメンを決め、水戸葵陵が決勝進出を決めました。
最後のメンはよく届いたなぁと驚きました。
準々決勝:九州学院(熊本県)(代) 0-0 福岡第一(福岡県)
九州の強豪校同士の対戦。
私が知っている範囲の対戦成績では、九州高校剣道選抜大会および魁星旗で対戦があり、いずれも福岡第一が勝利しています。
試合はなんと5人全員引き分けで代表戦へ。
九州学院からは相馬選手が福岡第一からは田城選手が選出されました。
両者勝負強いものの、魁星旗や玉竜旗、そしてなにより福岡県予選での活躍から田城選手のほうが勝利すると考えていた方も多いのではないでしょうか?
しかし、延長戦開始から10分が経過しそうなころ。
相馬選手の攻めてからのメンが決まり、九州学院が準決勝進出を決めました。
準々決勝:水戸葵陵(茨城県) 3-2 小牛田農林(宮城県)
水戸葵陵と死の組と言われた予選リーグを抜けてきた小牛田農林の対戦。
小牛田農林は予選リーグは佐野日大、敬徳という強豪校のみのリーグでした。
なんと3チームが全引き分けでしたが、勝者数差で小牛田農林がリーグを突破しています。
この対戦で先に大手をかけたのは小牛田農林。先鋒と中堅でリードを奪います。
水戸葵陵は次鋒で勝利したものの、副将戦では小牛田農林の佐々木選手が一本を先取。
しかし、ここから水戸葵陵の反撃。副将の木村選手が2本を取り返します。
さらに大将戦では、鈴木選手が1分足らずで2本勝ちを収め、水戸葵陵が逆転で準決勝へと駒を進めました。
女子個人戦
決勝:柿元選手(守谷)メ- 川合選手(東海大翔洋)
優勝候補筆頭の柿元選手と東海大会覇者の川合選手の対戦。
柿元選手は1年時から個人戦および団体戦で活躍してきたスーパースターです。
一方川合選手はまだ2年生ですが、東海大会を制している実力の持ち主。
試合は序盤から激しくお互い打ち合い、惜しい技がいくもありました。
しかし、規定時間内には決着が着かず延長戦へ。
最後は柿元選手の鋭いメンが決まり、優勝を決めました。
準決勝1:柿元選手(守谷)メ- 山本選手(西大寺)
優勝候補の柿元選手と東奥義塾の斎藤選手に勝利して準決勝まできた山本選手の対戦。
お互い積極的に技を出しますが、試合は延長戦へ。
延長戦開始から1分満たない頃。
柿元選手のコテメンに対し山本選手が小手返しメンで応じましたが、僅かに柿元選手のメンが早く、柿元選手が決勝へと駒を進めました。
準決勝2:川合選手(東海大翔洋)コ- 古川選手(三養基)
2年生同士の対戦。
試合序盤はお互い手数は少なく、慎重な試合運びとなりましたが、後半はお互い思い切りの良い惜しい技がでるように。
試合は延長戦になりましたが、開始からすぐに決着が着きました。
川合選手が攻め、古川選手の手元が上がったところにコテを決めました。
準々決勝:山内選手(西大寺)メ- 斎藤選手(東奥義塾)
2年生同士の対戦。
東奥義塾の斎藤選手は昨年のインターハイで3位に入賞している実力者です。
強豪の東奥義塾でも大将を務め、今大会の優勝候補でした。
その斎藤選手に対し、山本選手は積極的に攻めていきます。
試合中盤、一瞬のスキを捉えた山本選手の引き面が決まります。
その後は取り返さなければならない斎藤選手が猛攻をしかけますが、山本選手がよくしのいで時間切れに。
山本選手が準決勝進出を決めました。
4回戦:川合選手(東海大翔洋)ドメ- 八木選手(筑紫台)
こちらも2年生どうしの対戦。
東海大会を制した川合選手と筑紫台の主力として活躍している八木選手の対戦。
筑紫台は今大会団体戦での出場を逃し、八木選手に期待がかかっていたかと思います。
しかし、この試合は川合選手が優位に進めました。
一瞬のスキから引きドウを決めると、続けてメンを連取し快勝しました。
女子団体戦
決勝:中村学園女子(福岡県)(代) 2 – 2 東奥義塾(青森県)
インターハイでは3連覇している中村学園女子と初優勝を狙う東奥義塾の対戦。
春の全国選抜では東奥義塾が優勝し、玉竜旗では中村学園女子が優勝しています。
試合を優位に進めたのは東奥義塾。
東奥義塾が先鋒と中堅が一本勝ちを収め、優勝に大手をかけます。
しかし、ここから中村学園が王者の意地を見せます。
副将と大将が勝利し、代表戦へ持ち込みます。
中村学園からは奥谷選手が、東奥義塾からは杉本選手が、ともに3年生が選出されました。
代表戦開始から4分すぎころ、鍔迫り合いから奥谷選手の引きゴテが決まり、中村学園が大逆転で優勝を決めました。
非常に見応えがある決勝戦でした。
準決勝1:中村学園女子(福岡県)- 五泉(新潟県)
島原との接戦を制した中村学園と奈良大付属に快勝した五泉の対戦。
勢いがある五泉が王者中村学園にどこまで食らいつくか期待していました。
しかし、この試合は中村学園が試合をコントロールします。
先鋒戦を引き分けた後、次鋒から副将まで中村学園が勝利し、一気に試合を決めました。
準決勝2:東奥義塾(青森県)2 – 0 広島皆実(広島県)
準々決勝を快勝して勝ち上がってきた両チームの対戦。
この試合は優勝候補筆頭の東奥義塾が優位に進めます。
先鋒戦と中堅戦を東奥義塾が制し決勝進出へ大手。
後がない広島皆実は副将戦で必死に取りに行きますが、一本が遠く引き分け。
東奥義塾が手堅く決勝へと駒を進めました。
決勝トーナメント1回戦:東奥義塾(青森県)(代) 2 – 2 三養基(佐賀県)
優勝候補の東奥義塾と予選リーグで守谷に勝利し、勝ち上がってきた三養基の対戦。
試合は激戦となります。
先鋒と副将を三養基がとれば、中堅と大将は東奥義塾が勝利するシーソーゲームに。
試合の行方は代表戦に持ち越されます。
東奥義塾からは中堅の杉本選手が、三養基からは大将の中村(日)選手が代表戦に選出されました。
代表戦の決着はすぐに着きました。
試合開始すぐの鍔迫り合いから杉本選手の引き面が決まり、東奥義塾が辛勝しました。
予選リーグ:三養基(佐賀県)3-1 守谷(茨城県)
予選リーグ屈指の好カード。
これまでの実績からすると守谷が有利かなと思っていました。
先制したのは守谷。
先鋒戦を守谷が2本勝ちし、リードします。
しかし、三養基が中堅戦を2本勝ち、副将戦で1本勝ちし逆転します。
取り返さなければいけない守谷は大将柿元選手が必死に取りに行きます。
柿元選手の出頭メンや抜き逆ドウなど一本になってもおかしくない技が何本もありましたが、先に一本を取ったのは三養基の中村選手。
柿元選手がドウに行こうとしたところをメンで捉えます。
さらに引きゴテを奪い、三養基が勝利しました。
優勝候補の守谷が予選リーグで姿を消す波乱となりました。
コメント
2019年のインターハイを振り返ってみました。
個人的に注目した熱戦はいかがでしたでしょうか?
他にもインハイTVさんが動画を上げていますので、ぜひ見てみてくださいね!
(再掲)九州学院・米田監督を中心に代替の大会準備が進行中
九州学院の米田監督を中心に、全国選抜の代替の大会が企画されているようです。
大会名:全国高等学校『高校生想代(そうたい)』剣道友情大会
開催地:沖縄県立武道館
開催日:2020年12月25日~27日
詳細は以下のリンクを参照ください。
新型コロナウイルス感染拡大がいつ収まるかは全くわかりませんが、青春を捧げ頑張ってきた選手たちに、なんとかして晴れ舞台が用意されることを願っています。
コメントお待ちしております。
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